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第2回将棋電王戦 第四局の衝撃

[ 2013/04/15 ]
私は将棋に興味を持ったのは半年ほど前のニワカファンなので、将棋の内容についてとやかく言えるほどの薀蓄を持ちあわせていませんが、一昨日の4/13に行われた、プロ棋士塚田泰明九段と将棋ソフト「Puella α」の対局にはかなり感動させてもらったし、思うところもあったのでちょっと自分用にメモを残しておこうかな、と。

第2回 将棋電王戦 第4局 ​塚田泰明九段 vs Puel​la α ニコ生タイムシフト

中島みゆきの『ファイト!』を聴きながら読んでいただきたい。


(1:53あたりから)




5対5の団体戦で、ここまで人間側の1勝2敗と追い込まれた状況。
初戦こそ人間側の勝利だったけど、二戦三戦と連敗。
特に第三局の船江五段はレーティングでもかなりの上位であり、人間側の先手番でもあることから、勝利がもっとも期待されていたが、負けてしまった。
熱戦であり、劣勢から挽回して一時は勝勢かと思われた局面もあったものの、持ち時間の少なさが仇となった。
第二局の佐藤四段のケースも終局直前までどちらが優勢とも言えないギリギリの接戦だったけど、負けてしまった。
敗因についていろいろ言うことはできるだろうけど、持ち時間の少なさが多分、一番効いていると思う。
どちらの対局も、終盤、持ち時間の少なさから最善手を見つけ出す、ということが難しくなってしまったあたりで勝負がついてしまっている。

あと一度負ければ人間側の負け越しが決まってしまう状況で登場してきたのが塚田九段。
正直はっきり言って、勝利してほしいとは観戦していた多くの人が思っていただろうけど、他の四人のプロ棋士と比して現在の実力は落ちるな、と思われていた。
タイトル獲得歴こそあるものの、全盛期は20年前。
しかも、相手は今までプロ棋士を負かしてきたソフトよりも強い。
さらに塚田九段の後手番。
これは人間側の負け越しが決まってしまうな、と。

対局が始まって、序盤はもちろん、いい勝負をしていた。
でも、塚田九段が入玉を狙って玉を移動させる過程で角をとられたあたりからは一気に敗勢が濃くなった。
自陣の駒が次々とタダ取りされながらも、黙々と入玉を目指し続ける塚田九段。
敵陣間際まで玉が到達した時、コンピュータの形勢判断は人間側の-2700。
一般的に評価関数で1000以上の数値が出てしまったら、逆転はほとんどなくなってしまうと言われているそうだ。
それでも、コンピュータは入玉に弱い(玉が敵陣に入ってしまうと詰ましにくくなってしまう)という弱点に賭けて、塚田九段は勝負を捨てない。
だが、塚田九段が相手の飛車を捉えた時、先手玉も入玉を狙って動き始めてしまった。
それは、今までコンピュータ将棋がほとんど見せたことのない動きだった。
この段階で、万に一つの勝機も失せてしまった、と誰もが思ったのではなかろうか。

解説の木村八段も将棋の内容についての解説ができにくくなってしまって、皮肉交じりの漫談めいた話に終始するようになった。
とても面白くて何度も笑わせてもらったけど、だがそれは塚田九段を笑いものにして場を盛り上げる、ということだ。
実際、相入玉模様になってからの将棋は内容的につまらないものだったかもしれないけど、木村八段の解説のお陰で見ていられるものになった、という声は多かった。
「いつ塚田九段が投了するか」
という視点で見ていた人が多数だっただろう。

ところが、ソフト側の玉が敵陣に入ったあたりから、ソフト側はまともな手を指せなくなっていく。
全く意味のない所でと金をつくりだすようになり、玉の守りを固めることも、後手玉に迫るようなこともしなくなっていく。
ますます将棋の内容として、見るべきものがなくなっていくようになってしまった。
だが、このあたりで塚田九段に持将棋・引き分けの目が出てきた。

持将棋
将棋の駒は、玉将・飛車(竜王)・角行(竜馬)以外のほとんどの駒は前方には強いが後方には弱い上、敵陣内では歩兵・香車などを容易に成らせることができるため、相手の玉将が入玉し、後方に陣取られてしまうと、詰めるのが非常に困難になる。このため、両者の玉将が入玉したときは、両者の合意によって対局を中断して点数計算を行う。

点数計算は、自分の盤上の駒と持ち駒を、大駒(飛車・角行)を5点、玉将を0点、小駒(金将・銀将・桂馬・香車・歩兵)を1点として合計する(駒落ち将棋の場合は、落とした駒が上手にあると仮定して計算する。また駒落ち将棋の場合、相入玉した場合は無条件で上手の勝ちとするルールもある)。この方法で点数を計算し、24点に満たないほうを負けとし、両者とも24点以上の場合は引き分けになる。この引き分けを持将棋(じしょうぎ)と言う。

wikipedia

塚田九段の玉が敵陣に迫った時、持ち駒の点数はわずかに15点しかなかった。
持将棋の可能性を考えても、まだ、塚田九段に引き分けの目はほとんど見えなかった。
だが、そこから必死の食らいつきで飛車を取り返し、角を取り返し、歩を取り返していく。
入玉模様に慣れないソフトの無様な指し回し。
とてもプロの将棋とは思えないようなひどい棋譜。
木村八段の解説も解説というよりも、笑いをとりにいっているととられてもおかしくない内容だった。
持将棋の可能性に一縷の望みをかけて、塚田九段は何度も盤上の駒を指さし確認で数え上げる。何度も何度も。
記録係に棋譜を確認する。
何度もタバコを吸いに席を立つ。
コンピュータがすぐに指したので慌てて席に戻る。
その必死な挙動がモニタに映し出される度に、大盤解説会場で笑いが起こり、ニコニコ動画のコメントにも草が生える。
ついに塚田九段の点数が24点に達した時も、塚田九段は持将棋のルールを何度も運営側に確認する様子が滑稽に映しだされていて、それも笑いものにされていた。
この段階で、塚田九段が逆転引き分けに持ち込んだ「意地」を称えるコメントは多かったけど、一方で、やっぱり「酷い将棋だったよな」という含みのあるものも多かった。
プロならプロらしく美しい棋譜を残さねばならない、と。

対局が終わって、関係者が対局場に入ってきてインタビューが始まる。
立会人の神谷七段が笑顔だ。
負け越しが決まらなくてホッとした笑いなのか、酷い将棋だったな、という呆れた笑いなのか、よくわからない。
インタビュアーが塚田九段に「正直言って投了しようとか考えた瞬間ありますか」と聴いた時、塚田九段は言葉に詰まった。
ハンカチで顔を覆い、震える声で「自分からは…(投了しない)」と言った時、コメントの流れがガラリと変わった。
後ろに控えている神谷七段の顔から笑みが消えた。
その涙が「負けなくてホッとした涙」なのか「勝てなくて悔しい涙」なのかわからない。
この人は本当にたった1人で戦っていたんだ、ということに気づかされた時、私は衝撃を受けた。


(7:14から問題のインタビュー)

将棋の棋士に限らず、個人競技の勝負は勝負の場ではいつだって1人だけど、それでも観戦している側としては、程度の差こそあれ、応援している側に感情移入しながら見るものだ。
実際の勝負師はいつだって1人で戦っているけど、その後ろには自分と同じ気持で応援してくれる人がいる、という気持ちを頼りに戦う人もいるだろう。
でも、おそらくこの戦いで、初手から終局まで、一貫して塚田九段が持っていた「覚悟」をきっちり受け止めながら観戦していた人はほとんどいなかった。
私も将棋の内容はよくわからないながらも、木村八段の解説やニコニコ動画のコメントの流れや大盤解説会場の雰囲気に流されて、笑いながら見ていた。
応援はしていたけど、塚田九段の心中をおそらく、無意識に視野から外していたのだ。

そうか。
戦うきみの歌を戦わない奴らが笑うだろう、とはこのことか。



今まで見てきたどんなスポーツの大試合でもこんなに笑いものになりながら戦い、しかも戦果を残したプロを私は知らない。
読者の感情移入が得られなければ支持を集められないフィクションの世界で、こんなに読者の意識とズレながら笑いものになった主人公は見たことがない。

人間対コンピュータ。
長らく将棋ではコンピュータが人間に勝つのは遠い未来のことだろうと言われていた。
その遠い未来がいざ現実に立ち現れた時、やはり私は人間に肩入れしてみてしまう。
プロがプロらしく戦って勝ったのが第一局だった。
弱冠18歳の阿部四段は英雄になった。
プロがプロらしく戦って敗れたのが第二局と第三局だった。
それはとてもつらくて、敗戦後の佐藤四段のブログに綴られた想いは筆舌に尽くしがたい「重さ」を感じさせるものだった。
この第四局はプロが人間らしく戦って引き分けた勝負だった。
48歳の塚田九段は英雄になれたのだろうか。

この番勝負において、もはや人間側に勝ち越す目はなくなってしまったけど、プロらしくない戦いぶりだったかもしれないけど、それでも人間側の連敗を止め、最終局に一縷の望みを繋げ、笑われながらもたった一人で戦った塚田九段の姿を私は忘れない。


最終第五局、三浦八段はどんな勝負を見せてくれるのだろうか。


(↑無茶苦茶アツいPV。BGMにMUSE)


思い入れ過多な素人のバカな感想でしかないかもしれないけど、それでもこんな感想を抱くことができたこの1局に幾千万の感謝を!




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