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『時をかける少女』というタイトルの力/タイトルについてあれこれ

[ 2013/04/29 ]
とりとめのない文章になると思いますが。

ブログやっていると、毎回毎回記事タイトルのつけ方にはわりと神経を使います。
それなりに力を入れた記事でもタイトルのつけ方によってアクセスが伸び悩んだり、すんなり書けちゃった記事が意外に伸びたりと、内容よりもタイトルのほうが重要じゃないかってくらい。
うちクラスだと記事タイトル次第でアクセスが100くらいは平気で変わってきます。

曲紹介の記事で、最近、アーティスト名を英語表記からカタカナ表記に変えたところ、RSS経由のアクセスがぐっと増えました。
メジャーどころをとりあげても、もともと10とか20くらいしかアクセス無かったんですけどね。
曲紹介記事なんて。
前回のイギー・ポップはさすがに少なかったけど、クリムゾンのときは50くらい来たし、スティングでもやっぱり同じくらいアクセスが来ました。
とりあえずアルファベットが並んでいたら、記事タイトルは読まない、というのがヘッドラインみている時の大半の人の習性のようです。
でもアクセス解析で検索フレーズ見るとカタカナ表記よりアルファベット表記で検索している人のほうが多いので、記事を更新したらアルファベット表記に直しています。


ところで、90年代の邦楽では異様に長いタイトルの楽曲が少し流行りました。
B'zの『愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない』とか大黒摩季の『別れましょう私から消えましょうあなたから』とかDEENの『このまま君だけを奪い去りたい』とか。主にビーイング系だけど。
ビーイングが凋落するとあまり長いタイトルの曲って見かけなくなったけど、あれは今考えると先見の明ってことなんでしょうか。
でも、普通の楽曲のタイトルってわりと英語表記のものが多いですよね。特にバンドブーム以降は。
『Say Yes』とか『LOVE LOVE LOVE』とか『Departure』とか、『True Love』とか、『Tomorrow Never Knows』とか『Can You Celebrate』とか『However』とか……。
いずれもビッグセールスの曲なんだけど、なんだかんだいってポピュラーミュージックの世界ではこういう英語表記のタイトルが主流です。
最近のヒット曲を見ると英語表記と日本語表記が半々くらいだけど、それほど奇を衒ったものはなさそうです。

でも、ヒット曲というわけでもないけど、長いタイトルの曲、というのはそれなりにあって、
BEGINに
『それでも暮らしは続くから 全てを 今 忘れてしまう為には 全てを 今 知っている事が条件で 僕にはとても無理だから 一つずつ忘れて行く為に 愛する人達と手を取り 分けあって せめて思い出さないように 暮らしを続けて行くのです』

というタイトルの曲があるそうで、メジャーレーベルから出ているのではこれが一番長い曲タイトルだとか。
また、インディーズではレムというバンドの

『拝啓、大好きなキミへ。誰かに手紙というものを書くのは初めてです。最初で最後の手紙を書きます。キミは覚えていないだろうけど、初めて会った時のこと。涙を見せながら必死に笑顔を作るキミは、どこか寂しくて、奇麗で、僕が生きてきたこの世界のものとは思えないほど繊細でした。それは温かい陽射しのような、優しい春風のような、雨上がりに架かる虹のようで。僕の生きる真っ暗な世界に温もりと色をくれた。キミに触れた時、僕は初めて生きていることを感じることができた。だけど。いつしか僕らは大人になり、キミとの日々はいつからか日常になった。押し殺したはずの真っ黒な渦が世界を飲み込んでいく。苦しくて苦しくて、痛くて辛くて。キミとの思い出が、キミとの日々が色を失っていくのがただ怖かった。だから。僕は僕を終わらせる。温もりが冷めないうちに。色を失わないうちに。キミはきっと勝手だと僕を罵るだろう。でも誰かのために生きるなんて奇麗事、僕には似合わない。僕が色を失わないうちに、温もりを抱いて逝きたい。生きたいキミと、逝きたい僕。幸せの守り方は一つじゃない。考え方が違うだけ。大好きなキミへ。キミを守れなくてごめん。僕に光をくれてありがとう。先立つ僕を許して。敬具』

が、日本で一番長いタイトルの曲だそうです。

昨今はラノベのタイトルで長いのが目立つと言われているけど、楽曲タイトルには勝てなさそうですね。
でもちょっと見てみましょう。
適当に検索したら出てきたリストをコピペ。

反抗期の妹を魔王の力で支配してみた。
あくまでも、妹が欲しいんです。
僕と彼女がいちゃいちゃいちゃいちゃ
美少女が多すぎて生きていけない
可愛い女子が勉強を教えてくれると思った俺がバカでした
恋人にしようと生徒会長そっくりの女の子を錬成してみたら、オレが下僕になっていました
恋愛恐怖症の僕のまわりに、恋人候補しかいないんですけど!
チューするだけの簡単なお仕事です【支配者】
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか
魔法世界は女ばかりで、俺がパパ!?
悪に堕ちたら美少女まみれで大勝利!!
幼なじみと妹が俺の妄想で邪気眼デイドリーム
急募)美少女達のフラグをへし折り、委員長を辞める方法
ヒーローから転職した俺の使い魔な生活(仮)
アヌヴィス! 2 こうして俺は人外娘たちに求婚されました
フロムエース1 可愛すぎるクラスメイトとバイトするんだけど、何か質問ある?
フロムエース2 可憐すぎる幼馴染みとホテルに行くんだけど、何か質問ある?



こういう長文タイトルってたしかにインパクトはあるんだけど、これだけ氾濫するとなんか異様です。
しかも性欲丸出しばかりなのはこれいかに、と。
どうせどれもこれも寸止めだろうにね。
この傾向の走りになったと言われているのは『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』らしいですけど、今やっているアニメの二話のサブタイトルがこれまたあれでした。

「信じて送り出したお兄さんが携帯美少女ゲームにドハマリしてセクハラしてくるようになるわけがない」

これはエロゲタイトルのパロディで、元ネタはこれ。

「信じて送り出したフタナリ彼女が農家の叔父さんの変態調教にドハマリしてアヘ顔ピースビデオレターを送ってくるなんて…」


要するに、作品の中身を要約してそのままタイトルにしてしまっているんだけど、これだとなんかイメージを限定されてしまうような気がして、それはそれで味気ないな、と思ったりします。
同時代的なメディアミックス展開はありえても、時間が経ってからのリメイクとかされにくいんじゃないかな、と。

筒井康隆の『時をかける少女』って1967年の発表で、当時はジュブナイル小説という体裁だったので、まあ今のライトノベルと位置づけ的にはそれほど変わらないと思います。
原作は一時間くらいで読み終わっちゃうような内容ではありますが、今では違和感バリバリの古臭い文章です。
でも、それから16年後の1983年に原田知世主演で実写映画化されて大ヒット。
さらにそれから23年後の2006年に映画版から20年後、という設定で新ストーリーのアニメ映画がヒット。
2010年にはさらにストーリーを変えて再度実写映画化しています。

設定を踏襲しているとはいえ、ストーリーをあれこれ変えて同じタイトルで40年以上作品が作られ続けている、というのはやっぱり『時をかける少女』というタイトルに何らかの幻想めいた思い入れを懐きやすい、ということなのかなと以前考えたことがあります。
もちろん、巨匠"筒井康隆"、というネームバリューはあるにせよ。
元作品の内容はともかくとして、このタイトルで新作をつくりたい、と思わせるほどの力があったということですよね。
「時をかけるタイトル」って感じですね。

性欲丸出しで作品内容がすぐにわかってしまうようなタイトルってそれで人を引きつけやすい上に、テンプレ化した気安さがあるのはわかるんだけど、作品が末永く愛されるためには、やっぱりセンスのいいタイトルって重要だよな、という話でした。



追記:ブコメで『信じて送り出した~』はセンスあるだろう、という指摘を受けたのですが、たしかにその通りで、あれは秀逸ですね。
長文タイトルというので一括りにしてしまったけど、もちろん、中には優れたものもあると思います。


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