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経済学者は何故、少子化を問題視しないのか?

[ 2013/09/02 ]
経済学では経済主体をどのようにとらえているのかな、というのが気になっていろいろ調べてみたんだけど、マクロレベルではあまり人間のライフサイクルと関連付けて語っている人はいないみたいですね。
とりあえずケインズ経済学と新自由主義、マルクス主義をざっと見渡してみても、少子化やベビーブームといった人口の増減による市場や経済主体の変化の有り様をきっちり理論に織り込んでいる学派って見当たりませんでした。

いきなり経済学の本を片っ端から読んでいくのは効率が悪いので、ネットで調べたり、本屋や図書館で目次だけ立ち読みしているわけですが、経済主体に関しては様々な切り口があったわけだけれども、私が考えている切り口で論考された文章と出会うことはありませんでした。

経済学の伝統では経済主体を国家、資本家、労働者、消費者、銀行家というように捉えて、それらが経済の中でどのような役回りを担うか、というような話に終始しているようです。
金の流れについての学問なんだけど、それらの役回りを担う主体の「代替わり」や増減に関連する諸々の現象について細かく論じた学説と出会わないんですよね。
それらの経済主体が経済主体としてほとんど永続的にその役回りを演じ続けることが可能であるかのような錯覚を覚えそうになる。

経済学的なフィールドで考えるならば、国家はとりあえず永続的な存在として捉えてもいいと思います。
資本家や銀行も同じですね。
起業倒産するのはそれほど珍しいことじゃないけど、起業倒産のサイクルに伴う経済の動向は、マクロレベルでは「景気」の浮沈に還元していて、景気が良くなれば企業は儲かるし、新たに起こる企業も出てくる。
景気が悪くなれば業績が悪化し、中には倒産する企業も出てくる。
そういうものだ、と。

そういう「共同幻想」としての経済主体、法人はそのように捉えてもいいのだと思うけど、労働者、消費者という実態をもった自然人のライフサイクルはきっちりマクロ経済学の中で論じる必要はあるんじゃないかな、という点に私は着目したわけです。

「人間の欲望にはキリがない」とはよく聞く言葉ですが、そうは言っても、物理的に実現できる欲望などたかが知れているわけで、家庭が築けて豊かな老後が送れりゃそれでいい、という人が大半ですよ。
若いうちはあれもしたい、これもしたい、あれも欲しい、これも欲しいってなるけど、「標準的」な人生を歩んでいる人であれば、家庭を築いてしまえば、自分のために金を使おう、という欲望はどんどんなくなっていきます。
状況さえ許されれば、人間の欲望にはキリがないかもしれないけど、実際問題として最大公約数的な欲望など普通に生きていればこれくらい、という規模は大体把握できるでしょう。
なればこそ、「人生設計」という言葉があるわけで。
それら一億の人生設計の総体としてマクロ経済は語られてしかるべきなのですが、これが全然ですね。


「中国の巨大市場が」という物言いはよく聞くんだけど、中国がなんで巨大市場なのかというと人口が多いからです。人口が多ければそれだけでいいかというとそんなことはなくて、もちろん前提として政治的な安定と資本主義を運用出来る程度の民度の高さ(アフロアフリカ諸国のそれに比べればまだ民度は高いです。)が必要だけど。
インドが出遅れているのはその意味で民度が足りていないからでしょう。

ただ、巨大市場とは言っても、中国人が日本人並みの生活水準やライフスタイルに到達するまでの全ての商品を日本人が賄えるか、というとそんなことはないわけですよ。
中国人が買うものはそのパーセンテージにおいて多くは中国人がつくったものです。
たとえば、「日本製の電化製品」と言ったって、その価格には中国人による広報、流通、小売の経費も含まれている。
世界を相手に商売だ、中国は巨大市場だ、とのたまったところで、日本のGDPの85%は依然として国内市場の需要が占めるわけです。
日本で売られるものはそれが海外産であろうと広報、流通、小売の過程で日本人の労働を抜きにして市場に出回っているものはない。

人口減少、少子化が話題になる時、大体労働力が足りなくなる、という話に終始していますが、そうじゃなくて、市場規模が縮小していくことのほうが圧倒的に問題なんじゃないかと思うんですがね。
世界を相手にしている15%の人達は困らないのかもしれないけど、小売、外食、レジャー、教育、メディア、インフラ整備などに従事している人たちの大半は没落していくことになるのは目に見えているのに。


少子化が進む、ということは子供を持たない人が増えていく、ということで、それは資産が分配される機会を削いでいることでもあります。
分配の過程で子供だけではなく、市場にも金が流通していく。
子育てほど効率のよい再分配は存在し得ないでしょう。
今の日本政府が重視している再分配政策は若者から搾取して、土建につぎ込んで高齢化の進む地方を維持しようとしているだけです。
地方を活性化させる政策も必要でしょうが、活性化させるには若い人が子供を産み育てられる環境でなければそれが成立しうるわけがないです。
今の国の既定路線による再分配よりも、出産教育による再分配のほうがよっぽど市場に寄与する、という事実に誰も気づいていない。

戦後の高度経済成長はベビーブーマー世代が成人していくまでの間に達成されたものです。
朝鮮戦争特需や復興需要などもあったけれども、それ以上に、人口ボーナスが景気に寄与するところが大きかった。
出生率が2.0を切ったのと、高度経済成長が終焉したのはほぼ同時期です。
その後、バブル景気があったものの、見事にバブルでした。


こういう話が経済学に織り込まれていないのは、恐らく、ここまで深刻な少子高齢化という事態に陥った国は近代国家群、わけても先進国において、日本だけだからなんじゃないかと思います。
人口の増減なんて放っておいても経済学がまともにあつかう現象ではない、と思われているのではないか。
古代ローマでも少子高齢化が深刻な問題になりましたが、いくらなんでも2000年前の古代国家と近代国家をアナロジーで語るにも限界があります。
そういう、前例の少ない国家的危機に陥っているにも関わらず、日本では独自の経済学が発展することはなかったから、この深刻さを理解できないのではないか。
いまだにスティグリッツやクルーグマンといった海外の経済学者の発言が取り沙汰され、それらを金科玉条の如く仰ぎなら、そのガイドラインの枠内で政策を実施しようとしている。
スティグリッツやクルーグマンはノーベル経済学賞をとっているけれども、しょせんはアメリカ人です。アメリカは一度として少子化に苦しんだことのない国です。
クルーグマンは日本の少子化について言及したことがありますが、それは消費主体の減少、再分配の硬直化といった側面からの言及ではなくて、労働力の減少、という側面からの発言だった。

でも、日本は「失われ続けて20年」です。
いい加減、経済学のフィールドでそのことに気づく人が出てきてくれてもいいんじゃないか?
この結びはなかったかな。
いい加減、経済学のフィールドで有効な経済政策として少子化対策に注目が集まってもいいんじゃないか?


追記:寄せられたコメントへの返信を

piccad
マクロ経済学の基本中の基本モデルであるOLGなんてまさにライフサイクルや人口構成の変化を取り込んだものなんだがw 何を調べたんだ?


ど素人ですから、とりあえず目に飛び込んできた情報からそれらしいのをって感じです。
サミュエルソンの世代重複モデルも一応、目を通しましたが、私が想定していたのとは、やはり少し異なりました。私が着目したのは人口構成の変化、というよりも市場のプレイヤーの増減と、プレイヤーの発生に伴う所得再分配が景気に与える影響についてです。


ksysy
経済学者は問題視しており、だからこそ山のように分析され、またその結果が組み込まれたりした研究が幾らでもあるのだが、ブロガーは何故、このようなガセを堂々と恥ずかしげもなく書けるのか?


勉強不足は否定しませんが、だからといって「ガセを堂々と恥ずかしげもなく書けるのか?」というような物言いは心外です。少なくともある程度少子化に問題意識を持って日頃記事を読んでいる私のレベルに届く程には有力な研究にはなっていないのではないでしょうか。


追記2

piccad
ダイアモンドタイプのOLGで経済主体の増減や財政(所得移転含む)を研究したものは沢山ある


ネットでざらっと検索してみた限りでは、私の問題意識と合致しているかはちょっと確認取れませんでした。
ですが、せっかくご教示いただいたので、本を漁ってみようとは思います。
にしても、そういう分析や研究があるのだとしたら、なぜそれが政策に反映されないんでしょうかね。
少子化は実際に問題視されていて、それは解決すべき課題として位置づけられているわけですが、仰るような研究を元にした政策提言があがったというニュースは聞いたことがありません。
自治体レベルでは少子化対策が効果を上げている例はいくつかあるのに、国家的な財政政策としてはやはり土建でなんとかしようとする指向性は変わらないし、少子化対策を声高に叫んでいる経済学者も見当たりません(人口減少デフレ論は論外)。
研究や蓄積があってもそれが実際の政策として政治日程にあがってこないようでは、やはり少子化を問題視している経済学者はいない、と取られても、仕方ない部分もあるんじゃないでしょうか。



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[考え事]少子化問題と資源問題
  ネタ元: 経済学者は何故、少子化を問題視しないのか? http://sencha77.blog.fc2.com/blog-entry-313.html   地球上の資源がまだまだ潤沢にあるのならば、この問いの重要度はかなり高くなります
[2013/09/03 22:29] しんたろサンの日記
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