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スタニスワフ・レム『虚数』(スタニスワフ・レム)

[ 2007/10/29 ]

『惑星ソラリス』で知られるポーランドのSF作家スタニスワフ・レムの異形の短編集。
架空の書物の序文を集めた作品だが、一般的な意味での物語性は破却されている。
ボルヘスが『伝奇集』で架空の本の引用、という手法を提示したことがあったが、それの同種の試みではある。

前半は死の研究書、文字を書くバクテリアについての研究書、コンピュータによる文学書、wikipediaを先取りしたような百科事典などの序文だけが収録されている。
序文だけを提示することにより実際には存在しない書物のエッセンスだけを読むことができ、様々な想像を広げることができる。
非常に贅沢にアイデアを消費している。

これらの序文達も十分に興味深い作品群ではあったのだが、本書を傑作たらしめているのはやはり後半に収録されている『ゴーレムXIV」の存在だろう。
内容はコンピュータによる人間への講義録の抜粋であるが、そこで語られる主題は「知性」そのもの、身体性に拘束されない「知性」のありかた、「生命進化」の解釈、「知性」の未来などである。
思弁小説の本領発揮とばかりに哲学、物理学、生物学、宗教、論理学などの深遠を広く視野にいれた論理が明快に語られている。
本書のオリジナルの出版は60年代だが、現在の水準で読んでもここで語られている認識は古びていないし、むしろこの認識に到達できていない事象も多く存在する。
『知性』そのものを主題とした作品には小松左京やアーサー・C・クラークなどに傑作があるのだが、この作品は主題に絞った記述で、より問題を明確に浮かび上がらせることに成功している。

論旨自体は明快でも、前提となる教養の蓄積がないと理解しづらい内容かもしれないが、なぜこの作品がオールタイムベストSFなどのSFファンによる人気投票などに顔を出さないか不思議だ。
知的エンターテインメント、という意味で、本書の試みに迫る認識を提示できた作品などいったいどれほどあるというのか。
SF史に特筆大書で残るべき傑作。
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