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江戸川乱歩「怪奇幻想傑作選 -鏡地獄-」

[ 2006/12/14 ]


乱歩の全集は様々な出版社から出ているが、これは角川ホラー文庫から出ている怪奇ものの傑作選。
初心者向けということで読んでみた。

乱歩は日本の推理小説の元祖なのだが、不覚にもこの歳になるまで読んだことがなかった。
幼い頃に「古くて難しそうだなあ」という印象を持ってしまうと大人になってもなかなか手に取れないものかもしれない。
実際に読んでみたら、70年近く前の作品群だというのにちっとも古さを感じない明快なものばかりだった。

怪奇趣味の洗練具合ときたら、今の水準で読んでもまったく色あせない素晴らしさ。
その上、収録されている作品すべてに切れ味の鋭い仕掛けが凝らされていて、至福の読書体験を得ることができた。

特に中篇二作が抜群に優れていた。
「パノラマ島奇談」における極彩色の幻想空間と突飛なアイデアを積み上げるリアリティの力量にはひたすら感嘆した。
「陰獣」は、わずか120ページに本格ミステリーの精髄を余すところなく注ぎ込み、落ちが二転三転する傑作。
おそらくその時点での乱歩の作家人生の集大成的なものをトリックに盛り込んでおり、二重三重に読者を取り込むつくりに圧倒された。

短編では「人間椅子」「鏡地獄」「芋虫」などが特に素晴らしかった。
中でも「芋虫」は戦傷によって四肢が切断され、耳が聞こえなくなり、声も出なくなった夫とその妻の奇妙な生活を描いた作品。
同じような戦傷を負った男を描いた反戦映画「ジョニーは戦場へ行った」にあるような痛々しさは希薄で、むしろそのような状態に見出されるエロティシズムとその向こう側を描いた作品として稀有な光景を見せてくれた。
毛唐はこういう美意識を実践するのは得意だろうけど、作品として昇華するような境地には至れないかもしれない。

乱歩の描くグロテスクには、昨今のシリアルキラーを扱った有象無象の作品にはない美意識が屹立しており、認識を大きく変える結果になった。
それがなんであるか、はまた別の機会に考えてみようと思うけど、ああ、彼の作品もたくさん読まなきゃいかんなあ。
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[ 2006/12/14 ] 娯楽小説 | TB(0) | CM(-)
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